手形/為替手形

-為替手形-
為替手形は、三者間の取引です。
・振出人 : 手形を作成する人
名宛人 : 手形を振り出す相手 = 代金の支払いを依頼され、承諾した人(引受人)
・指図人 : 手形代金を受け取る権利者
為替手形は、振出人が名宛人に対して額面金額を指図人に支払うよう依頼した証券です。

手形の代金を支払う人(引受人=支払人) = 名宛人
手形の代金を受取る人(受取人) = 指図人 となります。

【為替手形のしくみ】
①振出人が為替手形を呈示し、名宛人の支払いの承諾を求めます。
②名宛人が為替手形を引き受けます。
  ※手形の引受 : 名宛人が支払いを承諾することをいいます。
③指図人が為替手形を受け取ります。
④手形の決済
⑤手形の取立

【記帳】
①為替手形の振り出し -振出人の処理-
  振出人には、手形に関する勘定は生じません。
  名宛人に対する債権と、指図人に対する債務を前提として、それを相殺します。

  ・売掛金勘定の減少として貸方に記入します。
    ※名宛人に対する債権(売掛金)
  ・買掛金勘定(または仕入勘定)の借方に記入します。
    ※指図人に対する債務(買掛金や仕入代金)


②為替手形の引き受け -名宛人(引受人=支払人)の処理-
  名宛人は、手形代金を支払う義務(手形債権)が生じます。

  ・支払手形勘定の増加として貸方に記入します。
  ・買掛金勘定の減少として借方に記入します。
    ※振出人に対する債務(買掛金)


③為替手形の受け取り -指図人(受取人)の処理-
  指図人は、手形代金を受け取る権利(手形債権)が生じます。

  ・受取手形勘定の増加として借方に記入します。
  ・売掛金勘定(または売上勘定)の貸方に記入します。
    ※振出人に対する債権(売掛金や売上代金)


④為替手形の決済 -名宛人(引受人=支払人)の処理-
  ・支払手形勘定の減少として借方に記入します。
  ・当座預金勘定の減少として貸方に記入します。


⑤為替手形の取立 -指図人(受取人)の処理-
  ・受取手形勘定の減少として貸方に記入します。
  ・当座預金勘定の増加として借方に記入します。



-自己宛為替手形-
自分を名宛人として振り出す為替手形です。つまり、振出人と名宛人が同一の手形となります。
自己宛為替手形は、二者間の取引です。

手形の代金を支払う人(支払人)=振出人=名宛人
手形の代金を受取る人(受取人)=指図人

【自己宛為替手形の意味】
  ・約束手形の代用
  ・本店が支店宛に支払いを委託する場合

【記帳】
〇自己宛為替手形の振り出し  -振出人=名宛人(支払人)の処理-
  手形代金を支払う義務が生じます。
  自己宛為替手形を振り出すことは、約束手形を振り出す事と同様の処理になります。

  ・支払手形勘定の増加として貸方に記入します。
  ・相手科目(仕入、買掛金など)の借方に記入します。


〇自己宛為替手形の受け取り  -指図人(受取人)の処理-
  手形代金を受取る権利が生じます。

  ・受取手形勘定の増加として借方に記入します。
  ・相手科目(売上、売掛金など)の貸方に記入します。



-自己受為替手形-
自分を指図人として振り出す為替手形です。つまり、振出人と指図人が同一の手形となります。
自己受為替手形は、二者間の取引です。

手形の代金を支払う人(引受人=支払人)=名宛人
手形の代金を受取る人(受取人)=振出人=指図人

【自己受為替手形の意味】
  ・代金の回収を目的としています。
    手形という形で支払期日を明示して代金の回収を確実にします。

【記帳】
〇自己受為替手形の振り出し  -振出人=指図人(受取人)の処理-
  手形代金を受取る権利が生じます。
  自己受為替手形を振り出すことは、約束手形を受け取ることと同様の処理になります。

  ・受取手形勘定の増加として借方に記入します。
  ・相手科目(売上、売掛金など)の貸方に記入します。


○自己受為替手形の引き受け  -名宛人(引受人=支払人)の処理-
  手形代金を支払う義務が生じます。

  ・支払手形勘定の増加として貸方に記入します。
  ・相手科目(仕入、買掛金など)の借方に記入します。
  

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